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渡辺 幸三ワタナベ コウゾウ

所属部署
大学院理工学研究科 生産環境工学専攻
職名教授
メールアドレスwatanabe_kozo[at]cee.ehime-u.ac.jp ※[at]を@に書き換えて送信して下さい
ホームページURLhttps://sites.google.com/a/kw-laboratory.com/main/
生年月日
Last Updated :2018/11/13

研究者基本情報

基本情報

    プロフィール:【生物多様性】DNA情報を活用した正確・迅速・安価な河川生態系の種多様性評価技術の開発

    【進化】適応進化(自然選択)の観点から流域環境変化が遺伝子・種レベルの生物多様性に及ぼす影響を予測(例,温暖化影響予測)

    【生態疫学】熱帯ベクター感染症制御を目的とした分子生物学的調査(例,フィリピンのデング熱媒介蚊の地域間交流とウイルス感染率の推定)

    【海外学術調査】イタリアアルプス,フィリピン,スイス,インドネシア,アメリカ,日本などの幅広い研究フィールド.活発な国際共同研究.

    キーワード:分子進化生物学,生物多様性,河川生態系,ベクター媒介感染症,次世代DNAシークエンシング,応用生態工学
    科研費研究者番号:80634435
    ORCID ID:orcid.org/0000-0002-7062-595X

学歴

  • 2002年04月 - 2005年03月, 東北大学, 工学研究科, 土木工学専攻 博士後期課程
  • 2000年04月 - 2002年03月, 東北大学, 工学研究科, 土木工学専攻 博士前期課程
  • 1996年04月 - 2000年03月, 東北大学, 工学部, 土木工学科

学位

  • 博士(工学)

経歴

  •   2018年04月,  - 現在, 山形大学, 農学部, 客員教授
  •   2017年04月,  - 現在, De La Salle University, Philippines, , Biological Control Research Unit (BCRU), 客員教授
  •   2017年04月,  - 現在, 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授(兼任)
  •   2017年04月,  - 現在, 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 教授
  •   2017年08月,  - 2017年10月, Berlin Center for Genomics in Biodiversity Research, Germany, 客員教授
  •   2015年10月,  - 2017年03月, De La Salle University, Philippines,, Biology Department,, Visiting Scholar
  •   2015年04月,  - 2017年03月, 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授(兼任)
  •   2012年04月,  - 2017年03月, 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 准教授
  •   2010年04月,  - 2012年03月, Leibniz-Institute of Freshwater Ecology and Inland Fisheries (IGB),ドイツ, EU Marie-Curie Research Fellow
  •   2009年04月,  - 2010年03月, Leibniz-Institute of Freshwater Ecology and Inland Fisheries (IGB),ドイツ, 日本学術振興会海外特別研究員
  •   2006年04月,  - 2009年03月, 東北大学, 工学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD)
  •   2005年04月,  - 2006年03月, 東北大学, 工学研究科, 研究支援者/教務補佐員
  •   2002年04月,  - 2005年03月, 東北大学, 工学研究科, 日本学術振興会特別研究員(DC1)

委員歴

  •   2018年04月 - 現在, 応用生態工学会, 国際交流委員会 委員長
  •   2017年05月 - 現在, 日本水環境学会, 運営幹事
  •   2017年05月 - 現在, 日本水環境学会, WET部会 部会長
  •   2016年06月 - 現在, 土木学会, 土木学会論文集G分冊小委員会 委員
  •   2015年05月 - 現在, 土木学会, 環境工学委員会 幹事
  •   2016年04月 - 2018年03月, 応用生態工学会, 国際交流委員会 委員
  •   2016年08月 - 2017年04月, 日本水環境学会, WET 部会 運営幹事
  •   2015年08月 - 2017年04月, 土木学会, 環境賞選考委員会 委員
  •   2013年06月 - 2015年06月, 土木学会, 土木学会誌編集委員会 委員
  •   2013年04月 - 2016年03月, 国土交通省, 鳴子ダム水質保全対策委員会 委員
  •   2006年04月 - 2008年03月, 財団法人リバーフロント整備センター, DNA多型分析技術応用研究会 委員

研究活動情報

研究分野

  • 土木環境システム
  • 自然共生システム

研究キーワード

    遺伝子, 国際研究者交流, 生態学, 土木環境システム, 河川, 系統進化, 生物多様性, DNA, 分類学, 感染症, 国際貢献, 底生動物, 進化, タリアメント川, 消毒剤耐性, 生息場寿命, ドイツ, 撹乱頻度, 河床地形, 洪水氾濫原, 河床変動量, 撹乱規模, ノロウイルス, 下水, カプシドタンパク質, 繰り返し曝露, 生息場, 上水, 生態機能, 塩素消毒

論文

MISC

講演・口頭発表等

  • 瀬切れ河川における水生昆虫の遺伝的多様性
    八重樫咲子, 戸高涼太郎, 三宅洋, 渡辺幸三, 日本水環境学会年会講演集,   2016年03月10日
  • 遊離塩素処理がノロウイルスの遺伝的多様性に与える影響
    中村新, 渡辺幸三, 八重樫咲子, 岡部聡, 中込とよ子, 中込治, 佐野大輔, 日本水環境学会年会講演集,   2016年03月10日
  • 河川昆虫カワゲラのRNA‐Seq解析に基づく日本列島の気候勾配に沿った発現変動遺伝子の検出
    後藤友亮, GAMBOA Maribet, 渡辺幸三, 日本水環境学会年会講演集,   2016年03月10日
  • 降雨・洪水・水環境と健康:世界と日本
    渡部徹, 福士謙介, 片山浩之, 渡辺幸三, 日本公衆衛生学会総会抄録集,   2015年10月15日
  • イタリアアルプス自然河川のトビケラ群集のDNA種分類法を用いた種多様性の解明
    近藤俊介, 八重樫咲子, MONAGHAN Michael T., 竹門康弘, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • 水生昆虫カワゲラ群集のトランスクリプトーム解析に基づく日本の気候勾配に適応的な遺伝子の検索分析
    後藤友亮, GAMBOA Maribet, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • 次世代シークエンシングとDNA種分類法を用いた河川底生動物群集の種多様性評価
    泉昂佑, GAMBOA Maribet, 三宅洋, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • 水文モデルを用いた気候変動下の水生昆虫の適応的遺伝変動予測
    糠澤桂, 風間聡, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • 塩基配列コピー数平準化法によるメタゲノムを用いた種多様性評価の改善
    福田航平, 加藤幹男, 八重樫咲子, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • プロテオーム解析による日本の気候勾配に沿ったカワゲラ個体群の環境適応の解明
    山野俊介, GAMBOA Maribet, LAUAN Maria Claret, 岩田久人, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • 水生昆虫ヒゲナガカワトビケラの上下流集団間の遺伝的分化と交雑
    八重樫咲子, 八重樫咲子, MONAGHAN Michael T., 大村達夫, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • ダム上流下流における流水性・止水性生息場の底生動物群集と栄養起源の比較研究
    高橋真司, 竹門康弘, 大村達夫, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • マイクロサテライトマーカーを用いたマニラのデング熱媒介蚊の遺伝子流動の評価
    大岸航平, CARVAJAL Thaddeus M., CARVAJAL Thaddeus M., 八重樫咲子, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2015年09月10日
  • 河川分断化が底生動物3種の遺伝的分化に及ぼす影響評価
    山崎久美子, 不破直人, 三宅洋, 渡辺幸三, 環境システム研究論文発表会講演集,   2014年10月04日
  • 河川分断化が底生動物3種の遺伝的分化へ及ぼす影響評価
    山崎久美子, 不破直人, 三宅洋, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2014年09月18日
  • 分布型流出・水温モデルを用いた水生昆虫の遺伝的多様性の推定
    糠澤桂, 風間聡, 渡辺幸三, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2014年09月18日
  • ノロウイルスの塩素消毒耐性獲得メカニズム解明に関する基礎的研究
    富岡哲史, 渡辺幸三, 岡部聡, 佐野大輔, 土木学会北海道支部論文報告集(CD-ROM),   2014年02月
  • ニッポンの離島 -知る、守る、活用する-
    島谷 学, 岸田 弘之, 林 昌弘, 渡辺 幸三, 土木學會誌,   2013年12月15日
  • 河川流出モデルを用いた流域スケールの底生動物遺伝的変動の推定
    糠澤桂, 風間聡, 渡辺幸三, 地球環境シンポジウム講演集,   2013年09月17日
  • 河川底生昆虫の遺伝的多様性と生息場環境の関係の解明
    八重樫咲子, 永峯賢人, 高橋真司, 渡辺幸三, 熊谷幸博, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2011年08月05日
  • 遺伝マーカーを用いた河川水生昆虫の移動分散パターンの推定
    八重樫咲子, 渡辺幸三, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2011年03月18日
  • ダム放流水が河川底生動物の栄養起源に及ぼす影響:止水性ハビタットにおける緩和効果
    高橋真司, 渡辺幸三, 竹門康弘, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2011年03月18日
  • 高精度GPSを用いた河川のハビタット構造の定量化と底生動物群集の種多様性評価への応用
    高橋真司, 渡辺幸三, 竹門康弘, 大村達夫, 熊谷幸博, 日本水環境学会年会講演集,   2011年03月18日
  • 透過型・不透過型砂防ダムの存在する山地渓流における底生動物の多様性評価
    糠澤桂, 風間聡, 渡辺幸三, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2010年08月05日
  • 生物多様性保全への進化論的アプローチ:アルプス河川の原生的洪水氾濫原をモデルとして
    渡辺幸三, 建設工学研究振興会年報,   2010年04月01日
  • DNA多型マーカーを用いたヒゲナガカワトビケラ(Stenopshyshe marmorata)の遺伝構造の解析
    八重樫咲子, 渡辺幸三, 菊池祐二, 鈴木祥一, 風間聡, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2010年03月15日
  • 進化系統を考慮したヒゲナガカワトビケラの遺伝的多様性の評価
    鈴木祥一, 渡辺幸三, 八重樫咲子, 熊谷幸博, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2009年08月03日
  • 名取川水系におけるヒゲナガカワトビケラ(Stenopsyche marmorata)の移動分散パターンの評価
    八重樫咲子, 渡辺幸三, 大村達夫, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2009年
  • 河川水生昆虫ヒゲナガカワトビケラ(Stenopsyche marmorata)のマイクロサテライトマーカーの開発と遺伝的多様性の評価
    八重樫咲子, 渡辺幸三, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2008年08月13日
  • 河川水生昆虫ヒゲナガカワトビケラ集団の遺伝的多様性評価に用いるマイクロサテライトマーカーの開発
    八重樫咲子, 渡辺幸三, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2008年03月19日
  • 宮城県中南部のウルマーシマトビケラ地域集団の遺伝的多様性と遺伝的分化
    渡辺幸三, 大村達夫, 応用生態工学会研究発表会講演集,   2007年
  • AFLP法によるヒゲナガカワトビケラ地域集団の遺伝的多様性の評価
    渡辺幸三, 菊地祐二, 草野光, 熊谷幸博, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2006年03月15日
  • AFLP法を用いた造網型トビケラ2種の地域個体群の遺伝的多様性の流域内分布に関する研究
    草野光, 渡辺幸三, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2005年08月20日
  • ダムによる河川分断化に伴う遺伝的分化の影響評価を目的としたヒゲナガカワトビケラ地域個体群のRAPD解析
    渡辺幸三, 山本直樹, 御簾納洋平, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2004年09月01日
  • 名取川水系に分布するウルマーシマトビケラ(Hydropsyche orientalis)局所個体群の遺伝構造のRAPD解析
    渡辺幸三, 熊谷幸博, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2004年03月17日
  • 河川生態系保全を目的とした有機物の分解および輸送メカニズムの解明
    渡辺幸三, 山本直樹, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2003年09月01日
  • 河川底生動物相およびダム運用の各季節変化に着目したダム放流水の影響評価 宮城県大倉ダムを例として
    渡辺幸三, 小川原享志, 山本直樹, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2003年03月04日
  • 水生昆虫のDNA多型解析による河川生態系評価
    小川原享志, 熊谷幸博, 渡辺幸三, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2003年03月04日
  • 底生動物の群集密度の動態特性と河川環境の関係の解明
    吉村千洋, 渡辺幸三, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM),   2002年09月01日
  • 底生動物の回復確率を用いた河川生態系へのインパクト評価
    渡辺幸三, 吉村千洋, 大村達夫, 土木学会年次学術講演会講演概要集 第7部,   2001年09月01日
  • 河川底生動物のDNA多型解析による地域間交流の推定
    熊谷幸博, 大村達夫, 小川原享志, 渡辺幸三, 土木学会年次学術講演会講演概要集 第7部,   2001年09月01日
  • 河川における種多様性の保全を目的とした個体群動態を表す離散時間モデルの提案
    渡辺幸三, 吉村千洋, 大村達夫, 日本水環境学会年会講演集,   2000年03月15日
  • 河川底生動物の個体群動態モデルを使った河川環境評価の試み
    渡辺幸三, 吉村千洋, 大村達夫, 土木学会東北支部技術研究発表会講演概要,   2000年03月14日

受賞

  •   2014年09月, 土木学会, 平成26年度地球環境優秀講演賞
  •   2010年09月, 日本水環境学会, 日本水環境学会平成21年年間優秀論文賞(メタウォーター賞)
  •   2009年06月, 財)建設工学研究振興会, 平成20年度建設工学研究奨励賞
  •   2005年03月, 東北大学, 平成16年度東北大学総長賞
  •   2004年10月, 応用生態工学会, 応用生態工学会第8回大会ポスター賞(一般投票部門)
  •   2004年10月, 応用生態工学会, 応用生態工学会第8回大会ポスター賞(選考委員会部門
  •   2004年09月, 土木学会, 土木学会第59回年次学術講演会優秀講演者
  •   2004年05月, 土木学会, 平成15年度土木学会論文奨励賞

競争的資金

  • フィリピンにおけるデング熱媒介蚊の集団遺伝学的研究:飛翔パターンと感染経路
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(B)), 渡辺 幸三, 研究計画の1年目となる平成25年度は,課題1「フィールド調査および生物サンプリング」および課題2「蚊の地域間交流パターンの集団遺伝学的調査」を実施した。調査地はフィリピンのルソン島・マニラとレイテ島・タクラバンの二か所を予定していたが,レイテ島・タクラバンは昨年度の台風災害により調査が難しいと判断し,タクラバンと同様の人口規模を有するルソン島・ターラックに調査地を変更した。マニラとターラックの2都市で,課題3,4の分子生物学的分析に使用するネッタイシマカ個体を採取した。住居内にある水たまりを中心にネッタイシマカの幼虫や卵を採取した。課題2では, DNA多型マーカーを使って,微細空間スケールで見られるネッタイシマカの集団遺伝構造を調査した。採取した各標本の足と翅部から DNAを抽出した。本年度は主に,微量サンプルから十分量のDNAを抽出する最適な実験プロトコルの検索や,効率的に複数のマイクロサテライトマーカーをPCR増幅する実験条件の検索などを行った。また,ゲノムワイドの遺伝情報を次世代DNAシークエンシング解析で取得するRAD解析の予備実験も完了した。また,マニラで得られた一部個体サンプル(100個体)からデングウイルスRNAの検出を試みたが,すべて陰性だった。研究開始と同時に,複数の現地共同研究機関と役割分担に関する打ち合わせを行い,デラサール大学,熱帯医学研究所,感染症研究所等らと合意できた。また,平成25年9月20日に,愛媛大学が主催する形で,本科研プロジェクトを中心とする研究グループらが研究発表を行うデング熱シンポジウム「Broadening Perspectives and Methods in Studying Dengue」をマニラのファー・イースターン大学で開催した。当日は70名以上の学生や若手研究者が集まり,有益な意見交換ができた。
  • 大規模DNA情報を活用した正確かつ迅速な種多様性評価技術の開発
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(B)), 渡辺 幸三, 初年度となるH24年度は,課題1「フィールド調査および従来法(形態種同定)による種多様性の評価」および課題2「DNA型コピー数平準化法の開発」を計画通り実施し,さらに計画を前倒して課題4「進化モデル解析によるDNA種数の定量化」も一部開始した。課題1では,重信川流域(愛媛県)の源流から下流に分布する10リーチにおいて,種多様性評価に用いる底生動物のサンプリングと環境調査を実施した。次年度以降に本研究で評価するDNA種数との比較のため,すべての底生動物サンプルは,顕微鏡観察に基づく従来法により,形態種(リンネ種)の数を評価した。その結果,全リーチから8921個体を採取し,64分類群を同定した。また,窒素・リンなどの水質,水温,餌資源,流速,水深等の底生動物の生息に関係する環境項目を調査した。課題2では, 本年度は,コピー数平準化に最適な再会合過程の温度と時間条件を検索した。多くのDNA型のPCR産物が二本鎖に再会合するが,わずかに1本鎖が残存する温度・時間条件が平準化状態に近づく温度・時間条件を検索した。その結果,74-80℃で10分間で再会合した後に,それ以上の再会合反応を停止させるために氷上で急冷するという操作が最適であることを見出した。課題4では,海外共同研究者のプサン大学のチョン教授研究室から研究員1名を愛媛大学に招へいし,自己組織化マップ(SOM)を使った種の定量化に向けた理論研究を遂行した。この理論的シミュレーション技法を概ね完成させることができた。また,H25年1月31日に,本科研プロジェクトを中心とする研究グループが愛媛大学に集まり,一般公開の形で「流域と生態系ワークショップ2014- 水文生態学,生息場学,分子生物学の新しい研究アプローチ-」を開催した。当日は9件の研究発表を行い,学生や若手研究者を含む38名が集まり,プロジェクトの更なる進捗に向けた意見交換ができた。
  • 先進国社会における胃腸炎ウイルス適応進化による消毒剤耐性獲得メカニズムの解明
    文部科学省, 科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究), 佐野 大輔, 比較的衛生状態が良いとされる先進国社会においてもノロウイルスによる感染症が数多く発生している。このことは、ノロウイルスが個人の衛生レベルでの対処や地域社会における従来の上下水道設備によっては制御しがたい性質を有していることに起因すると考えられる。本研究では、ノロウイルスの塩素消毒耐性獲得メカニズムを解明することを最終目的としている。平成25年度においては、繰り返し塩素に曝露することでノロウイルス集団が塩素耐性を獲得することが可能か否かを確認するための研究を行うことを目的とした。遊離塩素への繰り返し曝露によるマウスノロウイルスの遊離塩素感受性が遷移する過程を評価したところ、遊離塩素への繰り返し曝露を行ったテスト系でLog reductionが低下する現象が見られた。このLog reductionの値は、サイクルを13回繰り返すことによってさらに低下したが、これは塩素処理を繰り返し受けることにより、比較的高い塩素耐性を有するマウスノロウイルス株が優占してきたものと考えられた。10回目のサイクル後のサンプルについて、カプシドタンパク質遺伝子配列を解析したところ、11カ所に変異が入っていることが確認された。特にN/S領域において比較的多い非同義変異(5カ所)が見られたことから、この2カ所のアミノ酸変異がカプシドタンパク質の安定性及び塩素耐性に影響を与えたことが示唆された。以上のことから、遊離塩素への繰り返し曝露により、比較的塩素耐性の高いマウスノロウイルス集団を取得することに成功したと言える。塩素耐性の高いマウスノロウイルス集団には、カプシドタンパク質遺伝子に3つの変異が入っており、これらのうち非同義変異をもたらした2つの変異が、カプシドタンパク質の安定性及び塩素耐性に影響を与えたことが示唆された。
  • アルプス自然流域に残された生物多様性の大規模ゲノム解析による解明とその保全
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(A)), 大村 達夫, 研究期間の2年目となる平成25年度では,課題1「流域環境と生態系機能の調査」,課題2「DNA型コピー数平準化法の開発」,課題3「大規模ゲノム解析による種多様性の解明」,課題4「河川地形履歴に基づく種多様性と生態系機能の評価」を行った。課題1では,調査対象4流域の30地点で,課題2や課題3の遺伝子解析に用いるサンプルを採取した。さらに,氾濫原の物質循環を理解する基礎的データとして餌資源(粒状性有機物)の安定同位体(C,N)解析も行った。さらに,高解像度衛星画像を用いた河川・洪水氾濫原の生息場構造を推定する手法を開発し,研究対象流域の広いエリアの字空間的な生息場構造の異質性を評価した.課題2では,PCR産物を熱変性して一本鎖に乖離させた後に徐冷して一部を再会合させるDNA型コピー数の平準化に必要な温度・時間条件の最適条件を検索し,次年度完成に向けた基礎的知見を得ることができた.課題3では,次世代DNAシークエンサーによる底生動物群集のアンプリコン解析(ミトコンドリアDNA COI)を行い,DNAデータベースとの配列比較による種名のバーコーディングを行った.課題4では,タリアメント川中流のFlagognaならびにCornino付近の山頂に設置した自動カメラの画像データの解析を昨年度から継続するとももに,新たに様々なハビタットから動物群集サンプルを採取した.また,2014年1月31日に,上記研究成果を発表して多様な研究者により議論する場として「流域と生態系ワークショップ2014- 水文生態学,生息場学,分子生物学の新しい研究アプローチ-」を愛媛大学で開催した.9件の研究発表と計48名の多くの参加者らによる活発な議論を行った.
  • DNA分析を活用した正確・迅速・安価な種多様性評価技術の開発
    文部科学省, 科学研究費補助金(研究活動スタート支援), 渡辺 幸三, 愛媛県重信川流域の15地点において,2012年5月,8月,11月,2月に環境調査と河川底生動物群集の採取を行った。これらの調査地点は「流域」,「セグメント(流程)」,そして「リーチ(蛇行区間)」の3つの異なる空間階層スケールで種多様性を評価するデザインで選択した。環境調査は,水質,餌資源,流速,水深,河床材料など幅広く行った。2012年8月に採取した底生動物群集サンプルを,従来の顕微鏡観察に基づく形態学的種分類に基づく種多様性評価を完了したのちに,次世代DNAシークエンシング解析に用いた。このDNA分析では,まず各地点の生物群集試料から一度にDNAを抽出し,雑多な種が混在するDNAを対象にして,マルチプレックスPCRでミトコンドリアDNAのCOI領域(672bp)を増幅した。その後,雑多な種のPCR産物(アンプリコン)を,Roche 454 Sequencerを用いたパイロシークエンシング法に基づき,次世代DNAシークエンシング解析した。その結果,平均400bp長の塩基配列データを約17万配列を一度に作成することに成功した。この大規模DNAデータベースは引き続き実施される各調査地点の種多様性(種数)の評価に用いられる。具体的には,進化モデルと絶滅モデルを融合したGeneralized Mixed Yule-Coalescent(GMYC)モデルに適用することで,塩基配列間の非類似性に基づいて種の境界を定義して種数を定量化する。


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