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小原 敬士オハラ ケイシ

所属部署
大学院理工学研究科 環境機能科学専攻
職名教授
メールアドレス
ホームページURLhttp://chem.sci.ehime-u.ac.jp/~struct1/
生年月日
Last Updated :2017/10/19

研究者基本情報

学歴

  • 1993年04月 - 1996年03月, 京都大学, 大学院理学研究科博士後期課程, 化学専攻
  • 1987年04月 - 1989年03月, 大阪大学, 大学院理学研究科博士前期課程, 無機及び物理化学専攻
  • 1983年04月 - 1987年03月, 大阪大学, 理学部, 化学科

経歴

  •   2015年05月,  - 現在, 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 教授
  •   2007年04月,  - 2015年04月, 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 准教授
  •   2006年04月,  - 2007年03月, 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 特任講師
  •   1996年04月,  - 2006年03月, 愛媛大学, 理学部, 助手
  •   1996年01月,  - 1996年04月, 京都大学, 大学院理学研究科, 日本学術振興会特別研究員

所属学協会

  • 電子スピンサイエンス学会
  • 日本酸化ストレス学会
  • 日本分光学会
  • 日本化学会
  • 光化学協会

委員歴

  •   2004年04月 - 現在, 日本分光学会, 中国四国支部幹事, 代議員
  •   2014年05月 - 2016年02月, 日本化学会中国四国支部, 愛媛地区幹事

研究活動情報

研究分野

  • 物理化学
  • 物理系薬学
  • 食品科学
  • 機能物質化学

研究キーワード

    光化学, 一重項酸素, 活性酸素, フリーラジカル, 抗酸化, 電子スピン共鳴, 時間分解ESR, 近赤外, 生体分子, 時間分解分光, 薬剤反応性, ミセル, 近赤外発光, スポット計測, 反応速度, スピンダイナミクス, 化学物理, 懸濁系, 化学反応, スーパーオキシド, スピンプローブ, プロトン移動, 天然抗酸化剤, ビタミンE

論文

MISC

書籍等出版物

作品

  • 生物・分子機能性化学における近赤外発光の新展開
      2004年

競争的資金

  • 近赤外光の時間分解計測で行う新しい抗酸化活性評価法の構築
    日本学術振興会, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 小原 敬士
  • 一重項酸素発光寿命のスポット計測による微量試料の抗酸化活性評価
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 小原 敬士, 希少な天然抽出物質等の一重項酸素消去速度定数を微量の試料で計測するための近赤外発光寿命スポット計測法を開発し、微量溶液やゲル・固形試料に対しファイバープローブの0.4 mmのスポットで抗酸化評価のための計測を可能にした。0.05 mgのカロテノイド異性体やヒドロゲル試料の一重項酸素消去活性の測定に成功した。また、脂溶性香辛料成分のシクロデキストリンによる水溶液分散化による一重項酸素消去活性評価について検討し、水環境化の構造活性相関を明らかにした。一方、1測定10分を要する現状では評価対象や増感剤の計測中のダメージがスポット計測の障害であり、測定時間を大幅に短縮する必要がある。
  • 飲料・食品のための簡便・短時間で計測可能な抗酸化力評価法の開発
    科学技術振興機構(JST), 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)FSステージ探索タイプ, 小原 敬士, 飲料サンプル用の標準抗酸化力評価キットの作成と高感度・短時間で試料を測定する計測法の最適化を実施し、含有成分の抗酸化力の簡便迅速な標準評価手法を新たに開発し提案することを目標とする。
  • 分散・懸濁系での天然抗酸化剤の活性酸素消去とスピンダイナミクス
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 小原 敬士, 飲料・食品・化粧品・医薬品などで注目されている分散・懸濁系での天然抗酸化剤による活性酸素種消去ダイナミクスの詳細を明らかにするため、油水分散エマルジョン, 水油分散の逆ミセル系の油水界面で起こる抗酸化反応を過渡吸収法及び一重項酸素(1O_2)近赤外発光寿命法などの時間分解計測を用いて研究した。スーパーオキシドラジカルや1O_2 が天然抗酸化剤により油水界面近傍で消去されるダイナミクスを直接観測することに成功し、反応速度定数が求められた。
  • 強磁性と超伝導性が共存する新規フェルダジルラジカル錯体の開発
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 向井 和男, 近年、有機強磁性体や有機超伝導体に関する研究が多くの注目を集め、前者では20種、後者では80種に及ぶ例がこれまで見いだされている。しかしながら、強磁性と超伝導性の両機能を併せ持つ分子性強磁性超伝導体はこれまで見出されていない。本研究においては研究代表者の向井がこれまで詳細な磁性研究を行なって来た、安定フェルダジルラジカル(1,3,5-Triphenyl-verdazyl,1,5-diphenyl-3-phenyl-6-oxoverdazylなど)をスピン源とし、導電性分子(TCNQ、Me_2TCNQ、Ni(dmit)_2^-、Pd(dmit)_2^<2->など)との組み合わせによる分子性錯体を合成し、伝導性・磁性の複合機能を有する新しい分子性超伝導・磁性体、特に、初めての純有機強磁性・超伝導体の開発を目指した研究を行なった。本研究では、1.まず、これらのフェルダジルラジカルに正電荷を持った置換基を導入した分子(3-(4- and 3-Methylpyridinium)-1,5-diphenylverdazyl(p- and m-MePyDV))など、多くの分子の合成を試みた。2.次に、Verdazylカチオンラジカルと電子受容体アニオン([TCNQ]^-、[Me_2TCNQ]^-、Ni(dmit)_2^-、Pd(dmit)_2^<2->など)との反応により、先ず、(1:1)錯体を、更に、その酸化などにより(1:2)、(1:3)錯体結晶([p-MePyDV]^+[TCNQ]_2^-、[p-MePyDV]^+[Me_2TCNQ]_2^-、[1]^+[Ni(dmit)_2]_3^-、[1]^+[Pd(dmit)_2]_3^-、など)の合成・単離に成功した。3.合成した分子性錯体の、磁化率、ESR、電気伝導度の測定、結晶構造解析を行ない、10種に近い新しい純有機常磁性・半導体と分子性常磁性・半導体を得る事に成功した。強磁性・超伝導体を得るには至らなかったが、このような磁性と伝導性の両機能を同時に有する分子性化合物の例は大変限られて居り、本研究で得られた結果の意義は大きい。
  • 天然抗酸化剤による生体老化防御のスピンダイナミクス
    文部科学省, 科学研究費補助金(特定領域研究), 向井 和男, 人の老化は活性酸素・フリーラジカルと脂質、蛋白、核酸などの分子との反応によって引き起こされる。生体内には、ビタミンE(α-,β-,γ-,δ-Tocopherol, TocH)、ユビキノール-10、ビタミンC、ポリフェノール類(フラボン類、カテキン類)などの、種々の抗酸化剤が存在し、活性酸素・フリーラジカルを速やかに消去し、老化を防いでいる。本研究においては、上記の抗酸化剤について、i)フリーラジカル消去作用、ii)ビタミンEラジカル還元・再生作用、iii)一重項酸素(^1O_2)消去作用の速度論的研究を行ない、種々の興味ある結果を得た。以下にその主な例を示す。1)Stopped-Flow分光光度計を用い、ミセル溶液中でビタミンE(α-,β-,γ-,δ-tocopherol)とユビキノールのAroxylラジカル消去速度(k_s)をpHを変えて測定した。k_sの値と種々の組織中の濃度の積の値を比較し、心臓、筋肉、臓、腎臓、脳のミトコンドリア中ではユビキノールが、血清中ではビタミンEがラジカル消去の高い活性を示すことを明らかにした。2)Endoperoxideから発生させた^1O_2と、7種のフラボン誘導体、4種のカテキン類との反応を行い、これらのポリフェノール類がビタミンEに匹敵する速い^1O_2の消去速度(k_Q)を有することを明らかにした。k_Qの値が、脂質、蛋白、核酸に比べて速いことから、ポリフェノールが植物や食物の光劣化を防御していることを明らかにした。3)ビタミンEの抗酸化反応によって生じるEラジカル(α-Toc・,β-Toc・,γ-Toc・,δ-Toc・)の生成・消滅反応の追跡を行なった。これらの反応に関与する反応式、すなわち、3元連立微分方程式の解を、4次のRunge-Kutta法を用いて求め、実測値との比較から、生成・消滅反応の速度(k_f and 2k_d)を求めることに成功した。Eラジカルの消滅は何れも2分子反応によって起こることが明らかになった。得られた結果から、ビタミンEラジカル類の生成・消滅ダイナミクス機構について詳細な検討を行った。4)Double-Mixing Stopped-Flow分光光度計を用い、生体中における老化防御のKey反応として知られる、ビタミンCによるビタミンEラジカル(α-Toc・,β-Toc・,γ-Toc・)の再生反応速度(尾)を求めることに初めて成功した。k_rに及ぼす重水素置換効果を測定し、このような速い反応にはトンネル効果が寄与しないことを明らかにした。
  • 懸濁液系での天然抗酸化剤の活性酸素種消去活性とそのスピンダイナミクス
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 小原 敬士, 本研究は、生体系等の光学的透明性が低い懸濁液で、複数の天然抗酸化剤が含まれる多成分系が示す活性酸素種に対する抗酸化過程の挙動を、蛍光またはESRの時間分解測定により速度論的に研究するための手法確立を目的とする。平成16-17年度の研究実績は以下の通りである。1 蛍光検出ストップトフロー測定装置により、懸濁溶液系での抗酸化反応速度の時間分解法による定量的な測定に初めて成功した。条件検討の結果、モデルフリーラジカル還元体の蛍光増加、或いはビタミンE(VE)等の抗酸化剤の蛍光減少により抗酸化反応過程が追跡可能であることがわかり、均一溶液系で従来法と遜色ない測定結果を得た。この方法で、エタノール・水混合溶媒にVEを分散したエマルジョン溶液で抗酸化反応速度を測定し、その速度定数が均一領域と大きく異なることを見いだした。さらにDPPHやGalvinoxyl等のラジカルに対するエマルジョン系の抗酸化反応速度測定に成功し、この方法が懸濁系での抗酸化反応において汎用的であることを示した。2 1275mmの^1O_2近赤外発光の直接測定により、VEエマルジョン溶液における^1O_2消去ダイナミクスを検討した。均一溶液でVEは10^7-10^8M^<-1>s^<-1>程度の^1O_2消去速度を示すが、エマルジョン系ではVE濃度の増大とともに^1O_2寿命が急激に増大した。この結果、VEエマルジョン系では^1O_2が油滴中にとけ込み、^1O_2ダイナミクスが主にVE油滴近傍で起こっていることが示された。3 天然VEやH_2O_2水溶液の266nm光による直接光分解で生成する中間体ラジカルの生成・減衰ダイナミクスを時間分解ESRにより検討中である。本研究の成果により、エマルジョン系でのフリーラジカル・^1O_2に対する天然抗酸化剤の抗酸化反応過程が時間分解法で定量的に研究可能となり、その均一系と異なる挙動を解明する糸口が得られた。
  • 励起状態におけるプロトン移動の反応機構-近赤外から軟X線領域まで-
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 長岡 伸一, 励起状態における水素結合に沿ったプロトン移動は、正確な測定と定量的理論解析に適している。今回我々は、プロトン移動が重要な役割を示す生理活性物質に我々が提唱している理論モデルを適用できることを見いだした。また、さらに長波長領域の励起状態である一重項酸素消去における分子内水素結合を含む生体関連分子が示す役割を研究すると共に、逆に短波長領域である軟X 線領域にも研究のウイングを広げた。
  • CIDEPスピンプローブ法によるミセル・膜界面での一重項酸素動態の研究
    文部科学省, 科学研究費補助金(奨励研究(A)), 小原 敬士, 本研究は、ミセル・脂質二分子膜に導入されたCIDEPスピンプローブを用いて局所場での一重項酸素の寿命を時間分解ESRにより測定することにより、その動態を検討することを目的とする。本年度は本課題を実施するにあたり、以下のことを行った。(1)CIDEPスピンプローブとなるアルキル鎖及びペプチド鎖を持ったニトロキシドラジカル4種を設計・合成し、これがミセル中に取り込まれることを蛍光法及びESR法により確認した。3種の表面電荷の異なるミセル系において、油溶性のキサントン及び水溶性のTPPS(ポルフィリン誘導体)を用い、ミセル内外に存在するこれらの分子の励起状態とスピンプローブのミセルの水・油界面での相互作用について、時間分解ESR法により検討した。その結果、アルキル鎖によりミセルの疎水性部分に保持されたプローブは水相の励起分子との相互作用が小さく、アルキル鎖のないラジカル単体では比較的強い相互作用が観測されたことから、アルキル鎖のないラジカルがミセル内から水相に拡散している様子が示された。これらの結果から、合成した分子は不均一系のプローブとして有効に機能することがわかった。現在、脂質二分子膜モデルとなるフォスファチジルコリンを用いた系で検討を行っている。(2)水相で発生させた一重項酸素とプローブの相互作用について検討したが、一重項酸素の低収率と感度不足のため充分な信号強度が得られなかった。また、局所的に一重項酸素を発生させる試みとして、光により励起状態となる分子を持つミセル・ペプチド分子の合成を試みたが、中間体の副反応や低収率のため現在まで合成に至っていない。現在も引き続きこれらの検討を行っている。(3)ミセル系でのビタミンE及びビタミンCの挙動を励起分子としてキサントンを用いた系で検討し、分子の可溶化位置と反応速度のミセル,pHの依存性を時間分解ESR法で検討した。得られた顕著なミセル、pH依存性から、これらの抗酸化剤の界面での挙動が明かとなった。スピンプローブとこれらの抗酸化剤をミセル系に導入した系で時間分解ESRを測定することにより、界面での抗酸化反応機構について検討中である。
  • 新規フェルダジルラジカルを用いた分子強磁性体と分子強磁性伝導体の構築
    文部科学省, 科学研究費補助金(特定領域研究(B)), 向井 和男, 純有機反強磁性超伝導体或いは純有機強磁性伝導体を得るために、次のような種々の合成と、測定を試みた。1)分子内に正の電荷を有する種々の新規フェルダジルラジカルを合成し、TCNQ、Me_2TCNQ、Cl_2TCNQ、DDQ等の電子受容体との(1:1)及び(1:2)塩を作成した。その磁化率、ESR、伝導度の測定と、結晶構造解析結果から、4種の(1:2)TCNQ塩が純有機磁気半導体であることを見出した。低温での比熱測定を行ない、反強磁性への転移を見出すことを試みた。しかしながら、TCNQ分子間のスピン間反強磁性相互作用が大きいため、低温でその磁性が消えてしまい、反強磁性転移を見出すに至らなかった。現在、分子間の相互作用を小さくするため、Me_2TCNQやCl_2TCNQとの塩について詳細な研究を進めている。2)1)と同様、分子内に正の電荷を有するフェルダジルラジカルとNi(dmit)_2等の塩を合成した。(1:3)塩は何れも磁気半導体としての性質を示した。今後、加圧下での伝導度の測定を行い、超伝導への転移を見出すことを試みる。3)分子内に負の電荷を有する種々の新規フェルダジルラジカルを合成し、TTF、BEDT-TTF、BETS、等の電子供与体との塩を作成し、磁気伝導体の開発を試みている。現在までに、カルボキシル基を有する数種のラジカルの合成に成功している。
  • 天然抗酸化剤:その活性と抗酸化作用のメカニズム
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(B)), 向井 和男, 天然の抗酸化剤として良く知られている、カテキン類、コーヒー酸類について、その活性酸素・フリーラジカル消去反応速度を、1)酸素吸収法、2)ストップトフロー分光光度計法、3)時間分解ESR法を用いて測定し、抗酸化活性の評価を行った。また、その結果に基づき、抗酸化の機構について検討した。1)Stopped-Flow分光光度計を用いて、有機溶媒中及びミセル溶液中でカテキン類とコーヒー酸類のビタミンE再生反応速度とフェノキシルラジカル消去反応速度を測定した。また、この結果を過酸化ラジカル消去反応速度と比較検討した。更に、pHを変えて反応速度の測定を行い、その解析結果から反応の構造活性相関を明らかにした。また、サイクリックボルタンメトリー法を用いて酸化電位を測定し、ラジカル消去速度との相関性を見出した。尚、本研究は主に愛媛大学で行った。2)圧力Transducer法(酸素吸収法)により、有機溶媒中及びミセル溶液中でカテキン類とコーヒー酸類の脂質過酸化ラジカル消去速度を測定し、これらの生体関連天然抗酸化剤の抗酸化活性について定量的な評価を行うと共に、その結果をビタミンEやユビキノールと比較検討した。尚、本研究は、研究代表者の向井の研究室の大学院生3名がカナダのマウントアリソン大学のBarclay教授の研究室にそれぞれ4ヶ月間滞在し、共同研究により行った。3)ビタミンEの抗酸化反応、再生反応、酸化促進反応に対する重水素置換効果を測定した。その結果から、これらの反応は、何れも水素のトンネル効果が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
  • 励起状態におけるプロトン移動反応の研究
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 長岡 伸一, プロトン移動は最も単純な化学反応であり、正確な測定と定量的理論解析に適している。研究代表者は既に、波動関数の節を考慮すれば励起状態でプロトン移動が起こるかどうかを予測できることを示唆した。本研究においては、励起状態において分子のどこに節が生じるか、我々の節の考えがプロトン移動における置換基効果、溶媒効果、励起状態依存性を説明できるかどうか、及び生体系におけるプロトン移動反応に適用できるかどうかを検討した。具体的には、サリチルアルデヒド誘導体やアミノアントラキノン誘導体では、プロトン移動反応の電子状態依存性及び分子構造や置換基がプロトン移動に与える影響について研究した。また、ヒドロキシアンスリルベンゾチアゾール誘導体では、同じ官能基から構成される分子でも置換基の相対的な位置によってプロトン移動反応の性質が異なることを明らかにした。こうした研究結果は全て、我々の節の考えを支持している。さらに、ビタミンEとキノン類が結合した分子を合成し、生体系において光照射によって生じる有害な活性分子をビタミンEがどのようにして消去していくかを検討した。以上のような研究は、微視的な電子の動きが結果として現れる反応にどのように影響するかを理解する上で興味深い。プロトン移動は、多くの研究者によって研究されているが、節の考えに基づいて波動関数の性質とプロトン移動反応を直接結びつけようとしているのは我々のグループのみである。
  • 新規フェルダジルラジカル類の合成と純有機強磁性,弱強磁性の発現機構の解明
    文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(B)), 向井 和男, 30種を超える新規Verdazylラジカルやその電荷移動錯体を合成し、SQUID、ESR、X線、比熱などの測定を行い、以下に示すような興味ある結果を得た。1) Verdazylラジカル結晶p-DaTPOVがT_c=0.28KのCurie温度を持つ準一次元有機強磁性体であることを見出した。2) 弱強磁性体TOVラジカル結晶を非磁性還元体(TOV-H)で希釈した混晶(TOV)_<1-x>(TOV-H)_xを作り、その磁性の研究を行った。TOVにおける反強磁性的交換相互作用から、混晶x=0.03,0.05,0,09においては強磁性的交換相互作用が観測された。X線解析結果から、上記の磁性変化の原因を明らかにした。3) スピンパイエルス転移化合物p-CyDOVについて、強磁場下における磁化測定を行い、p-CyDOVの磁気相図の完成に成功した。純有機中性ラジカル磁性体においては初めての例である。4) 上記p-CyDOVラジカル結晶について、スピンパイエルス転移に対する非磁性および磁性不純物効果の研究を行い、磁気相図の作成や転移点(T_c)以下の磁気的性質について検討を行った。5) Verdazylラジカルと電子受容体(TCNQ、TCNQF_4など)の分子性錯体を合成し、その磁性の研究を行った。6) 一次元強磁性体と一次元反強磁性体のラジカル合金に関する研究を行い、ラジカル置換による磁性の変化に対する詳細な検討を行った。
  • FT-ESRによる光反応初期過程の研究
    文部科学省, 科学研究費補助金(国際学術研究), 広田 襄, 1996年8月にノボシビルスクにおいて開催された、スピンおよび磁場効果に関する国際シンポジウムにおいて、広田、van Willigenおよび小原はその後の共同研究の計画に関して詳細な打ち合わせを行った。その結果、これまでのCW-ESRの研究において、未解決の問題の多いXanthoneの光反応の初期過程を、FT-ESRを用いて研究することに決め、まず小原がボストンで実験を行い、以下の成果を得た。1)Xanthone/2-propanol系でEの分極の生成は水素引き抜き反応の速度により決まり、主な分極の機構はラジカル対機構(RPM)である。2)Xanthone/2-propanol+H_2O+HC1で観測される吸収(A)の分極の立ち上がは非常に速く、装置の分解能により決まっており、三重項機構(TM)によると考えられるが、分極の強度は弱い。さらに、11月に広田がボストンにおいて共同でFT-ESRの実験を行い、上記2)の系についてHC1の濃度を変化させて詳しい研究を行った。その結果HC1の低濃度ですでに2-propanol由来のラジカルに関しては、EからAへの分極の反転が起こることが明らかになり、さらにXanthoneラジカルにおいても、AからEへの分極の反転が起こるなど新しい現象が見出された。これらの新しく得られた結果を含めて、Xanthoneの反応初期過程を明らかにするには、過渡吸収による補足的な実験の必要性が痛感され、1月にvan Willigen教授来日の際、京都で過渡吸収の実験を試みたが、装置上の問題で満足な結果が得られず、その後京都において実験を完成した。これらの結果をまとめて論文を作成してJ.Phys.Chem.誌に投稿した。以上の研究に加えて、中川は以前より共同研究を行っているphenothiazine(PTH)とアルキル直鎖を持つPTHの誘導体のSDSミセル溶液中の光イオン化で生じる水和電子の研究を行った。その結果、レーザー励起後50ns以内での水和電子のシグナルの位相の詳細、水和電子の消失速度とPTHのミセル内の位置との関係、水和電子のクエンチの動力学などについて知見を得た。

教育活動情報

担当経験のある科目

  • 化学, 愛媛大学
  • 物理化学, 愛媛大学
  • 分子分光学, 愛媛大学
  • 化学反応論, 愛媛大学
  • 構造化学演習, 愛媛大学
  • コンピューター化学, 愛媛大学
  • 化学入門, 愛媛大学
  • 化学実験, 愛媛大学


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