研究者データベース

渕崎 員弘フチザキ カズヒロ

所属部署名大学院理工学研究科 数理物質科学専攻
職名教授
Last Updated :2019/10/08

研究者基本情報

基本情報

氏名

  • 氏名

    渕崎 員弘
  • 氏名(カナ)

    フチザキ カズヒロ

基本情報

  • アバター画像URI

    https://researchmap.jp/?action=common_download_user&upload_id=227288
  • ORCID ID

    0000-0001-6215-9867

所属

所属・職名

  • 部署

    大学院理工学研究科 数理物質科学専攻
  • 職名

    教授

学歴等

学歴

  • 1989年
  • 1983年

学位

  • 工学博士
  • 工学修士

その他基本情報

所属学協会

  • American Chemical Society
  • 日本物理学会
  • 日本高圧力学会
  • American Association for the Advancement of Science

経歴

  • 2017年04月 - 2018年03月, 東京大学(客員教授)
  • 2005年04月 - 2006年03月, 分子科学研究所(客員教授)
  • 2006年 - , - 愛媛大学理工学研究科(教授)
  • 2003年 - 2006年,  愛媛大学理学部(教授)
  • 2000年 - 2003年,  愛媛大学理学部(助教授)
  • 1999年 - 2000年,  九州大学大学院理学研究科
  • 1991年 - 1999年,  九州大学理学部
  • 1990年 - 1991年,  日本原子力研究所
  • 1989年 - 1990年,  日本原子力研究所

研究活動情報

研究分野等

研究キーワード

  • ポリアモルフィズム
  • 非平衡統計力学
  • ガラス転移
  • 位相欠陥

著書・発表論文等

論文

書籍等出版物

講演・口頭発表等

作品

MISC

  • ヨウ化錫系に期待される第二臨界現象, 渕崎 員弘, 日本結晶学会誌, 58, 42, 47, 2016年03月, 10.5940/jcrsj.58.42
  • Nonequilibrium Effects on Macromolecules Immersed in a Solvent, 渕崎 員弘, JPSJ News Comments, 12, 13 (2 pages), 2015年12月
  • 不定形という「形」に魅せられて, 渕崎 員弘, 月刊愛媛ジャーナル, 76, 79, 2015年04月
  • 変形Lennard-Jones 系の融解曲線, 渕崎 員弘, 愛媛大学理学部紀要, 20, xv, xviii, 2015年
  • Lennard-Jones 系の平衡融点, 渕崎 員弘, 愛媛大学理学部紀要, 19, i, x, 2014年
  • How can we determine a non-crystalline structure from diffraction data?, SPring-8 Research Frontiers 2007, 72, 73, 2008年
  • Balgac–Kusnesov スキームにおける非線形結合項の役割, 渕崎 員弘, 愛媛大学理学部紀要, 11, 81, 84, 2005年
  • Three Topics on Glassy Dynamics in Condensed Matter, 渕崎 員弘, Journal of Rerearch Institute for Science and Technology, 9, 1, 10, 1997年
  • 結晶粒界の幾何学と粒界エネルギー面のフラクタル性, 渕崎 員弘, IIAS Reports, 85, 91, 1997年

その他研究情報

競争的資金

  • 日本学術振興会, 科研費 基盤研究(C), ヨウ化物による第二臨界現象発現の立証, 渕崎 員弘, 水のポリアモルフィズムは臨界点シナリオによって矛盾なく、且つ簡潔に説明できる。ただし、その足場となる臨界点はおろか、その付近の低密度水と高密度水そのものを直接観察することは許されない。そこで、代替物質としてヨウ化錫に着目し、「前人未踏」の第二臨界点存在の立証を試みることがが本研究全体の目的である。目的達成に必要な重要な知見が得られた年度であった。 1 GPa付近での圧力領域でのX線小角散乱測定を計画していたが、装置上の制約のため、単色X線吸収測定に変更した。比較的低圧で液体ヨウ化錫を長時間封入保持するために容器蓋の再設計と改良に取り組んだ。これまで実績を積んできたSPring-8 BL22XUでの測定だけではなく、東北大・鈴木昭夫氏のご尽力により、KEK-AR NE7Aを利用した測定も可能になった。KEK放射光X線の横発散の大きさのため、密度に関する定量的な解析は困難なものの、定性的な再現性の確認を行うことができた。 まず、特筆すべき点として、950 Kと1000 Kに保ったまま、圧力印加を行うと、(報告者による理論予想通り)1.5 GPa付近で急な吸収増加が見出される。以前、970 KにてSPring-8で同様な測定を行った際に見出した現象を完全に再現した。これは低密度液相から高密度液相への不連続相転移境界を横切ったことを表している。一方、1200 Kでの圧力印加では、こうした吸収の「跳び」は見られず、単調に吸収が増加する。これらのことより、第二臨界点は間違いなく1.5 GPa付近、1000 Kと1200 Kの間に存在することが言えた。この結果は、この付近での液体構造の局所変化のその場観察の結果と併せてStatPhys26で報告するとともに学術誌に速報する予定である。 また、水に見られるような密度極大が1 GPa未満の低圧領域に現れることも明らかにした。
  • 文部科学省, 新学術領域研究, 水型液相間転移の第二臨界点近傍での液体の構造的特徴, 渕崎 員弘, ヨウ化錫の二液相状態に関して、高圧下での放射光X線その場観察によって、これまで報告者らが得た知見が液相間(第二臨界点)シナリオで矛盾なく、半定量的に説明ができることを示した。ただし、シナリオの完成には液相間に不連続な転移がある実験的証拠を見出す必要があるが、平成23年度までに行った放射光X線吸収によるヨウ化錫液体の密度測定の結果、ほぼそれを手中に射止めている。平成24年度内に論文発表する予定である。水系と異なり、第二臨界点付近の温度・圧力には比較的容易にアクセスすることができることになる。人類初の第二臨界現象の定量的な観察が行えそうである。
  • 日本学術振興会, 科研費 基盤研究(C), ヨウ化錫液相-液相間転移のシナリオ, 渕崎 員弘, ヨウ化錫液体において観測された二液体を熱力学的に安定な二液相と見なし、これら二液相間転移のシナリオを記述するべく始まった本研究は、この研究期間において 1)当該二液相が確かに熱力学的に安定な相であることを実験的に示したのみならず、2)これら二液相を含めたヨウ化錫系のポリアモルフィズムが水系、および水型の四面体型オープンネットワーク構造をもつ物質のポリアモルフィズムに同形であることを理論的に示した。後者により、水系では到達し得ない、液相-液相臨界点近傍の研究に新たな道を切り開いたことになる。
  • 日本学術振興会, 科研費 基盤研究(C), 圧力誘起非晶質化から再結晶化に至るまでの統一的シナリオ, 渕崎 員弘, 数理物理・物性基礎|生物物理・化学物理, 圧力誘起による低対称結晶相→非晶質状態→高対称結晶相への一連の構造の変化を,このような一連の変化を起こす分子性結晶ヨウ化錫を具体例としてとりあげて,これをモデル化することを試みた.ヨウ化錫結晶はヨウ素原子をホストとする格子に錫原子が四面体侵入位置を占めて構築されると考えると後者の侵入に関して局所的規則を得ることができる.これは有限個の手続きで構成され,錫原子を格子ガスとみなした格子ガス模型のハミルトニアンを書き下すことができた.現実の構造はこのハミルトニアンから得られる自由エネルギーを極小にする解として現れる.このようにして「可変構成要素間の熱力学的最適配置」という概念が,圧力誘起による一連の構造変化を統一的に記述する上で有効であることを説くことができた.この考え方に従うと,相転移の途上にある非晶質状態は系のエネルギー-エントロピーの利得による物理的な「帰結」として現れるのである. この考え方は液体状態にも適用でき,圧力誘起によるヨウ化錫液体の液相-液相間相転移の存在を予想した.そこで学際的共同実験プロジェクトを立ち上げ,低圧結晶相の融解曲線が約1.5GPaの圧力を境にその傾きが大きく変化することをまず見出した.即ち,この圧力を境に異なる密度の液体が存在することを意味している.放射光を用いた高温・高圧その場X線観察によって,この圧力付近を境に液体構造が変化することを直接確認することに成功した.これは「可変構成要素間の熱力学的最適配置」なる概念の有効性を実験的に立証したにとどまらず,一般化合物について熱力学的に安定な非晶質状態の多形の存在を初めて明らかにしたという意味で極めて意義がある.「可変構成要素間の熱力学的最適配置」は,正則溶体近似のレベルでは解析的に議論することが可能であり,準安定状態をも含めたヨウ化錫系の圧力-温度相図を推定した.この相図の検証については今年度以降の課題としたい.
  • 日本学術振興会, 科研費 基盤研究(C), トポロジカルフラストレーションに起因するスローダイナミクス, 渕崎 員弘, 数理物理・物性基礎, トポロジカルフラストレーションとは、系の構成要素、例えば分子、を空間的に充填した際に最適な局所的配置と大域的配置の間に不一致が見られる状況を指し示す。研究代表者はこの状況がガラス等の非晶質構造の構造安定化を担っていると考えた。自由エネルギーコストから考えると、系はフラストレーションの結果生じる「位相欠陥」を出来るだけ空間的に凝縮しようとするであろう。本研究は、正四面体が3次元空間を充填出来ないことに着目し、剛体正四面体からなる理想的な系内にトポロジカルフラストレーションによって生じる位相欠陥を動的密度汎関数法で浮き彫りにし、この位相欠陥の再配置に伴うスローダイナミクスの存在を明らかにしようとするものである。 実際の研究対象としては正四面体対称性を有する分子SnI_4から成る分子性固体を選んだ。このヨウ化錫は圧力誘起により非晶質化することが知られているからである。この非晶質化現象をトポロジカルフラストレーションの立場から議論するのが狙いであった。方法としては分子動力学法による計算機シミュレーションの他、SPring-8での放射光X線による回折実験も行った。これは高圧下での実験的知見に乏しかったからである。一連の研究の結果、非晶質化の直接的原因はフラストレーションによるものではなく、分子解離によるものであることが明らかになった。この事実をもとに、系の構成単位を分子より更に細かい要素に分けるとその新たな構成要素間での最適配置を見出すのがトリビアルな問題ではないことに気づいた。無矛盾な最適配置には更に細かい構成単位が必要となる。即ち、最適配置という観点からは分子解離は物の「理」として理解されるのである。そこで本研究を発展させた新たな課題としてこのことを定量的に明らかにして行く予定である。
  • 日本学術振興会, 科研費 基盤研究(C), 結晶粒界の幾何学と粒界エネルギー面のフラクタル性, 渕崎 員弘, 数理物理・物性基礎|無機材料・物性|幾何学, 結晶粒界エネルギーを議論するにあたって粒界で織りなされる様々な格子パターンに内在する幾何学的階層性を数学的に浮き彫りにする新たな方法を案出したわけであるが、この方法に威力を内外に知らしめることが本申請の重要な目的の一つであった。幸運にも本研究は、今年7月米国ピッツバーグにて開催されるこの分野での最高の舞台での一つである「第3回結晶粒成長に関する国際会議」(Third International Conference on Grain Growth)での口頭発表に選ばれた。 さて、平成8年度は方法論の基礎固めとして分子動力学法の整備を行った。粒界エネルギーの結晶粒間のミスオリエンテーション角度依存性を2次元の結晶粒成長モデルに適用した際、定常成長過程に向かう緩和過程が「引き延ばされる」ことを見出したため、当初の計画とは少々異なる方向に研究が進むことになった。この特異な緩和過程はガラスでしばしば見られる緩和過程であり、結晶粒成長で見出された「引き延ばされた」指数緩和を理解するために、ガラスの緩和過程の問題に着手した。ガラスに見られるこのような「遅いダイナミクス」は、一般に様々な緩和プロセスが並列ではなく直列に階層性を成している結果であると理解されている。非常におもしろいことに結晶粒成長で見られた遅い緩和も結晶粒サイズという「メトリカル」な量の緩和過程と結晶粒の角数という「トポロジカル」な量の緩和過程との間に階層構造があることに起因している点を明らかにした。しかるに、その機構の満足な理解にはまだまだこれからの研究に負うところが大きい。またごく最近、高温で平衡状態にある結晶粒界をクエンチすることによって低エネルギー粒界は結晶化をおこすが、高エネルギー粒界が'confined amorphous'状態になることが報告されている。結晶粒界でのガラス転移に付随する熱力学的及び動的性質をバルクのそれと比較研究していくことは今後の興味ある課題であるといえよう。
  • 日本学術振興会, 科研費 奨励研究(A), 3次元セルパターンのダイナミクスと幾何学的特徴, 渕崎 員弘, 数理物理・物性基礎|無機材料・物性, 一昨年度、3次元セル構造の動力学を記述するためのバ-テックスモデルを案出した。今年度はこのモデルの大規模な計算機シミュレーションを行いセル構造を幾何学的に特徴づける様々な統計量に関するextensiveな解析を行った。その過程で他のモデルに比べて圧倒的な効率の良さで同程度の統計精度を持つ結果が得られることが分かった。また金属或いはセラミックスの多結晶体について実験的に得られているこれら幾何学的統計量の分布も良く再現している。得られた結果の内、特に今後統計力学において理論的な発展を刺激すると考えられる次の2点に関して述べる。 1.ボロノイセルパターンからのずれとセルの体積分布関数(結晶粒成長国際会議招待講演) ボロノイセルによる空間のランダム分割に関しては幾つかの厳密な結果が知られており、これを成長するセル構造にも適応する試みがあるが、背後にある物理を無視し得ないことが得られたセルの面数分布からも明らかになった。また一方ではランダムボロノイ分割によるセルの体積分布はΓ-分布で特徴づけられる事が分かっているがこの事とシミュレーションの結果は矛盾しない。即ち、背後にあるセルの成長機構によりΓ-分布の特殊な場合である指数分布が実現していると考えられる。 2.3次元セルパターンにおけるvon Neumann則(StatPhys-Taipei-1995招待講演) 2次元セル構造系からの類推で3次元セル構造においてもセルの平均成長率はその面数のリニアな関数であると予想されていたが現時点での我々のシミュレーションで得られた結果から判断する限りこの予想は正しくないことが分かった。但しこの点については現モデルを更に改良して今後も検討して行く予定である。
  • 日本学術振興会, 科研費 奨励研究(A), 固体におけるセル構造のダイナミクス, 渕崎 員弘, 固体中での結晶粒成長のダイナミクスを議論するための計算機シュミレーションプログラムを開発しこれを実行した。2次元セル構造の計算機シュミレーションは今日では充分行われている。併せて理論的な統計力学的取扱いもなされている。しかしながら理想的な2次元系をつくる事は実際的には困難であり、実験との比較を行うための3次元系の効率的なシュミレーションの方法の開発が望まれていた。既にポッツモデルによるモンテカルロシュミレーションは行われているがそのコストパフォーマンスは著しく悪いだけでなく、物理的な時間空間スケールが決まらないという原理的な困難を抱えていた。そこでセル構造の自由度をセルの頂点の自由度にまで縮約したモデル「バ-テックスモデル」に基づくシュミレーション方法を開発した。即ち、セル壁(界面)を三角形分割し界面の運動方程式より各三角形頂点の運動方程式を導き、これを時間方向に積分する事で各頂点、即ち、セル形状の時間発展を追跡する事が出来る。空間時間的な粗視化の目安となるカットオフ長以下でのイベントはトポロジーの変化(セル間でのスイッチング及びセルの合体)として処理した。この様にしてポッツモデルによる方法での困難をすべて克服する事が出来た。シュミレーションの結果、面数分布及びセルサイズ分布に関してはポッツモデルによる大規模シュミレーションで得られた結果をカバーしただけでなく、今回新たにAboav-Weaire則及びLewis則が3次元セル系でも成立する事を高精度で確認した。後者はセル構造による空間充填という純粋に幾何学的な要請によるものと考えられる。これらの結果は2編の論文にて出版する予定である。 これと並行してフラストレートした氷のモデルを統計力学的に論じた。このモデルは界面上での新しいタイプの相転移として今後発展させる予定である。


Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.