Faculty of Law and Letters
人文社会学科(社会科学)
Update date:2025/01/29
Professor
Takahashi Motoyasu

Degree

  1. 博士(経済学)東北大学

Research Areas

Research Projects

  1. Early Modern Society and Economy of a Silkworm Egg Industry Village, Kami-shiojiri, Ueda, Nagano, Japan, For the Historical Parallel and Contrast Studies with an English Village, Willingham, Cambs.基盤研究(B)Principal investigator
  2. Bridging the Genealogy and History by the socio-economic historical 3D expression of family trees and genealogical information in Japan and Europe挑戦的萌芽研究Principal investigator
  3. A 'Parallel and Contrast' study of Natural Environment and Resources Use in the Early Modern Villages : the utilisation of the fileds and commons in English and Japanese rural societies in the period of the Growth of the Market Econom基盤研究(B)Principal investigator
  4. The control and symbiosis of the regional environment in early modern society : a parallel and contrast study of two rural societies, one in England and one in Japan基盤研究(B)Principal investigator
  5. 西洋における「イエ」の発見-国際社会科学の実践と対比家族史研究の確立-萌芽研究Principal investigator

Books and Other Publications

  1. Village Inheritance: a Japanese-English Contrast and Parallel Study ― Detecting Social DNATosui Shobou2021/02/20978-4-88708-464-3出版社による紹介:旧著『村の相伝・近代英国編』(刀水書房、1999年)刊行後20年間取り組んできた日英村落史対比研究。長野県旧上田藩上塩尻村と英国ケンブリッジ州ウィリンガム教区を、時系列的(200年間)多角的に分析した総合モノグラフ研究       本書の3大方法論1:多角的なアングルによる分析を実現 2:互いの歴史的独自性を尊重した上で,相違点の強調をする比較ではなく,共通点・相似点を見出す 3:系譜学と隣接する社会経済史学を含む隣接諸分野との架橋を可能にした。その始まりは,33年前。初めてイギリスで奨学生として学び始めた折の「社会的DNAという系譜学的多層共同性を検出したい」という筆者の内的衝動だった。 [略目次] はしがき/謝辞/初出一覧 序論 第一章前提 第二章非常時―災害・凶作 第三章常時―農事暦 第四章家屋敷・住居分布の変遷 第五章同族・親族・家Family構造 第六章家系譜 第七章 相続慣行 第八章 世代継承・社会的DNA 第九章 地域金融組織 第十章 共同墓地 結論 索引/巻末付録 (はしがきより) 本書は感謝の本です。なぜかというと、本書で利用した史料やデータとの出会いは、まさに渡りに舟の連続であったからです。数百年単位の時系列的分析に十分耐える、英国および日本で最も史料の揃った村における史料の発掘・発見は、たまたま著者がそこに居合わせたというだけのことなのですが、その時そのタイミングその相手でなければならなかった。そして、この日英双方での総合モノグラフ研究には結局それぞれ二〇年以上の歳月を費やす結果になっています。しかし、おかげで人文社会科学の中にあって長年ほぼ独自の世界を保ってきた系譜学と隣接する社会経済史学を含む隣接諸分野との架橋を可能にすることができたと思っています。そして、言ってみれば時空間を還流するエネルギーのための円環面ドーナツの穴のような存在であった系譜学との架橋は人文科学のみならず、自然科学の分野とも接合し、融合されていくのではないか、という予感があります。 本書は、著者が20年来取り組んできた日英村落史的対比研究の成果を一書にまとめ、日本から世界に向けての情報発信および価値の提供を含めて国際貢献をおこなう橋頭堡にすることを最終の目的としています。本書でとるアプローチである対比(parallel and contrast)研究では、互いの歴史的独自性を尊重した上で、相違点の強調をする比較ではなく、共通点・相似点を見出そうという姿勢をとっています。これまで日本と英国双方の研究チームを組織し、その対話を通じて日本では旧上田藩上塩尻村を、英国ではケンブリッジ州ウィリンガム教区を中心に研究が進行中です。  社会科学一般において、1つの理論を裏付ける十分な基礎は、時系列的に長期間観察された対象をなるべく多角的に分析する、本書のような総合モノグラフ研究によって提供される。ところが、1つの総合モノグラフ研究を果たすには学説史の進展およびその要請とあいまって20年はかかる。近年はさらに長期化する傾向にさえある。したがって、レスター学派を濫觴とするイギリスでも1950年代以降、成果物はまだ20編を超えない。そして日本では、やはり半世紀前の有賀喜左衛門の岩手県石神村、中村吉治研究グループの岩手県煙山村・長野県今井村など文字通り指折るほどである。今回の刊行物は、その後継となる長野県上塩尻村の総合研究を英国のケンブリッジ州ウィリンガム教区のそれと対比する形で著す。その上で、今回は、新たなアプローチである家系譜の導入により、いうなれば社会的遺伝の動因となる、社会的DNA とでも呼ぶべきものを対比的に抽出する可能性を示すことになる。  この日英村落の対比研究という方法は、対象同士に異なる特徴を見出すことにではなく、むしろ相互の独自性を認めた上で相互の相違・共通性を発見していこうという問題意識に由来するものである。人は違う点よりも共通する・似ている点の方が多いからである。  以上を序して開始した本書は、以下の結論を得ました。  数世紀にわたる英国と日本の2つの村落における相続態様と世代継承とを直接比較するという初めての試みを通して、英国の工業化以前の人口が示す高い移動性については半径10キロメートル程度の範囲で他の村々に移るというごく短距離のものであった。人口の移動性にもかかわらず親族の結びつきは重要なものとして残り続け、またそのようなものとして認識されていた点は、日本の上塩尻村との対比でも確認できる。また、社会関係の重層性という点でも類似する。 かくして、3世代の相続と継承を基点に日英2つの最も史料に恵まれ、200年以上の時系列上で観察できる村落コミュニティを対比させることで得られた知見は、重層性を示す、1つのコミュニティでありながらもさらに大きなコミュニティの入れ子の連鎖としてある、社会的DNAと呼ぶしかないものであった。2つのことを同時に追っていたのはなく、1つのことを追っていたのであった。大は小に宿る。この社会的DNAはおそらくは、極小では入れ子構造をなす原子・素粒子の世界、極大ではやはり入れ子構造をなすとされる(故ホーキング博士)宇宙の間にあって、やはり入れ子構造をなす。もっとも、その変位は家のレベルでも家名・家産・家業・家格という4つの塩基に相当する項目の無限の組み合わせを示すであろうし、親族関係または同族関係でも4親等である従弟(イトコ)の浸透レベルでの揺らぎがやはり無限の多様性をもたらすものと思われる。少なくとも、この社会的DNA対比研究のアプローチにより、既存のデータをあらためて分析すると、そこで得られるのは、人間は共通する点・似ている点の方が異なる点よりも多い、という結果であることを著者は強く予期するものである。 この対比研究は一つの力仕事であり、依然として素朴実証主義の域を出るものではないかもしれない。だが少なくとも、ここで対象とした二つのコミュニティで二〇〇年以上の時系列を対比する試みは、今後一定条件が揃えば、より広い範囲での応用が可能となるものと思われる。それが現在急速に進展するデータ・サイエンスへのいささかの寄与ともなれば幸いである。

Papers

  1. 資料「旧上田藩上塩尻村佐藤善右衛門家文書・無尽掛續帳(1)」2021/03/30高橋基泰International Comparative Studies17, 99-122(MISC) Introduction and explanation (scientific journal)International Comparative Studies SocietyISSN 1880-0882
  2. 翻訳「コントラスティング・コミュニティーズ」(その10)『国際比較研究』17,71-98頁2021/03/30Margaret SpuffordInternational Comparative Studies17, 71-98(MISC) Introduction and explanation (scientific journal)International Comparative Studies SocietyISSN 1880-0882

Presentations

  1. 共通論題「村落社会の市場経済化と共同性の諸相:対比」趣旨説明社会経済史学会中四国部会・愛媛大会2021/11/28Oral presentation(keynote)

Allotted Class

  1. 2024Western Economic History 1
  2. 2024Western Economic History 2
  3. 2024Introduction to Economics
  4. 2024Professional Research & Writing (Industrial Systems Management and Innovation)
  5. 2024Research Project in Economics

Academic_Activities

  1. 社会経済史学会中四国部会・愛媛大会Planning,management,etc.高橋基泰2021/11/27-2021/11/28愛媛大学
  2. 村落社会の市場経済化と共同性の諸相-近世における上塩尻村(長野県上田市)の事例分析から-Panel moderator,session chair,etc.長谷部弘2021/05/08-2021/05/09神戸大学(オンライン)村落社会の市場経済化と共同性の諸相-近世における上塩尻村(長野県上田市)の事例分析から-オルガナーザー:長谷部弘報告者:第一報告:村山良之「資料的制約を克服して試みる村内人口の動態と構造の実態」第二報告:山内太「近世末期上塩尻村における土地市場と土地利用の一断面」第三報告:岩間剛城「農村金融組織と地域金融市場の実態」第四報告:長谷部弘「近世期蚕種市場の特性と上塩尻村蚕種屋たちの蚕種稼業」討論者:高橋 美由紀 鷲崎 俊太郎 司会:高橋 基泰

Professional Memberships

  1. 1996/10-present比較家族史学会
  2. 1992/10-present日本村落研究学会
  3. 1992/04-present日本人口学会
  4. 1985/04-present社会経済史学会

Committee Memberships

  1. 2019/04-present比較家族史学会理事
  2. 2019/04/01-present社会経済史学会中四国部会理事